カジノで大金を使って遊ぶ顧客のことを、「ハイローラー」と呼びます。
ハイローラーはカジノにとって歓迎すべき顧客であるため、さまざまな優遇を受けているのですが、その中身はどのようなものなのでしょうか。
今回は、特別扱いともいえるカジノ側の応対について、解説します。
カジノにとって必要不可欠なハイローラーとは
アパレルのお店でたくさんの買い物をする人がセールに招待されたり、飲食店の常連客が1品追加のサービスを受けたりすることがよくありますよね。
それと似たシステムが、カジノにもあります。
カジノにとっての上客は「ハイローラー」と呼ばれ、一般客とは区別されることが多いのです。
カジノの経営を成り立たせるためには、多くのお金を使ってくれる常連客を確保しなければなりません。
そのため、カジノはハイローラーをVIPとして特別扱いします。
ハイローラーという言葉は、マカオやシンガポール、韓国などのアジア諸国のみならず、本場ラスベガスでも当然のように使われている用語です。
ハイローラーの明確な定義はありません。
カジノによって考え方が異なりますから、1千万円以上の資金を持つ人をハイローラーとして扱うこともあれば、5千万円以上の資金がなければハイローラーとは考えないということもあります。
また、1ゲームあたりに使う金額も、ハイローラーかそうでないかを区分けする基準です。
ハイローラーは、たとえばバカラなどの50%の勝率で勝てるゲームに対して、10万円単位のチップを1ゲームごとに投じています。
常識を上回るような金額を平然と使えてこそ、ハイローラーなのです。
ハイローラーを上回るランクも存在する
一部のカジノでは、ハイローラーを上回るスーパーなランクを設けることがあります。
こういった特別な人は、「ウェール」または「メガウェール」と呼ばれています。
ハイローラーがゴールドカードなら、ウェールはプラチナカード、ブラックカードといったところでしょうか。
メガウェールと呼ばれる人たちは、世界中に数百人いるといわれており、彼らの総資金は、10億円をくだりません。
また、1ゲームに賭けるお金は1千万円以上になることもザラです。
当然のことながら、ウェールやメガウェールは、ハイローラー以上の特別な待遇を受けています。
ハイローラーがカジノで受けている特別なサービスの中身とは
ハイローラーは、カジノの内外でさまざまな特別サービスを受けています。
一般人なら数十万円の支払いを求められるようなサービスも、無料で受けることが可能です。
生きているうちに一度は体験してみたいハイローラー向けのサービスを詳しくご紹介します。
VIPルームでゲームができる
一般客が使うお金は、1ゲームあたり、多くても1万円前後です。
通常のテーブルは場が荒れることを防ぐために、ベットできる金額に上限を設けています。
たとえば上限が100ドルのテーブルの場合、100ドル以上を1度にベットすることができません。
しかし、ハイローラーが使いたい金額は1,000ドル以上です。
そこで用意されるのが、ハイローラー向けのVIPルームです。
VIPルームではベット額に制限がなく、好きなだけお金を賭けることができます。
また、テーブルやイス、調度品などインテリアにも高級ブランドやアンティークが並ぶなど、あらゆる場所がゴージャスに作られていることも特徴です。
実は、このシステムはオンラインカジノのライブカジノにも採用されています。
以下の画面は、ベラジョンカジノで遊べるライブカジノのロビーです。
画像引用:ベラジョンカジノ公式サイト
バカラB、Cといった通常の部屋には誰もが入室することができ、1ドルからお金を賭けることができます。
しかし「サロンプリヴェ」と題された部屋には、1ゲームで1,000ドル以上を賭けるハイローラーしか入室することができません。
画像引用:ベラジョンカジノ公式サイト
サロンプリヴェに入室するためには、ベラジョンカジノの15,000ドル以上を預けていなければなりません。
とても高いハードルですが、それをクリアすると、自分専用のディーラーを相手に、誰にも邪魔されることなくバカラを楽しめるようになります。
滞在費を負担してくれる
日本へのカジノ誘致の際も話題になりましたが、カジノは施設だけがポツンと建っているわけではなく、IR(統合型リゾート)の一部として存在することが一般的です。
たとえば日本がIR誘致の参考としているシンガポールのマリーナベイ・サンズは、近代型IRの代表例になります。
画像引用:マリーナベイ・サンズ
3つのタワーで構成されるホテルはあまりにも有名で、屋上のプールはインスタ映えのスポットとしても話題になりました。
こういったホテルに宿泊する場合、宿泊費だけでも1泊5万円以上が相場ですが、ハイローラーは、カジノと連携するホテルに無料で滞在することができます。
しかも無料になるのは宿泊費だけではなく、レストランやルームサービスを利用する際の食事代も含まれるというのですから驚きです。
このクラスのホテルにはミシュランの星付きレストランがズラリと並ぶこともあるので、超一流の食事まで無料で楽しめてしまいます。
交通費を負担してくれる
アメリカに住んでいてシンガポールのカジノのハイローラーになる人もいれば、日本に住んでいてマカオのカジノのハイローラーになる人もいます。
こういった人が現地のカジノに訪れるためには飛行機移動が必須ですし、空港からホテルまでも、車や電車で移動しなければなりません。
これだけでも数十万円単位、ビジネスクラスなら往復で数百万円の出費を見込む必要がありますが、ハイローラーは、交通費をカジノに負担してもらえます。
現地ではリムジンが派遣されることもごく普通で、カジノ外でも特別な体験ができます。