ギャンブルに関連する用語として「射幸心(しゃこうしん)」という言葉があります。
この言葉は、日常会話で使われることが少ない言葉なので、意味がわからないという方は多いはずです。
射幸心は多くの人間が持つ感情のひとつであり、簡単にいえば「楽してお金を稼ぎたい」というような欲求を表す言葉です。
ギャンブルを楽しむ際には、この射幸心をいかにして抑えるかという点も重要になるので、対処法とあわせて言葉の意味を理解しておきましょう。
射幸心とは何か
射幸心(しゃこうしん)は人間の心理状態を表す言葉であり、「幸せになりたい」という感情を表す言葉として使われています。
射幸心は人間なら誰もが抱えて当然の感情ともいえるのですが、現代では主にギャンブルに関連付けて使われるネガティブな言葉として知られるようになりました。
なぜ、射幸心がネガティブな意味で使われるのか、そして射幸心はどうして生まれるのかについて、まずは簡単に解説します。
射幸心はネガティブな意味で使われる言葉
「幸せになりたい」という感情を持つのは人として当然のことです。
そういった思いを持っていたほうが健全ともいえるでしょう。
しかし、なぜ射幸心という言葉が現代ではネガティブな使われ方をするようになったのでしょう。
それは、賭博を規制する理由として「射幸心」という言葉が使われたことが主な理由です。
賭博行為を規制する理由として、政府は「国民の射幸心を煽るのは、勤労によって財産を得ようとする健全な経済的風俗を害する」ためとしています。
つまり、この文脈の中で射幸心という言葉は、人間が勤労をして財産を得るという健全な考えを阻害するネガティブな言葉として使われているのです。
このような事情があることから、射幸心は「楽してお金を稼ぎたい」という不健全な考え方を意味する言葉として解釈されるようになりました。
射幸心はなぜ生まれるのか
射幸心が生まれる理由として考えられるのは、日常に寂しさを感じたり、金銭的な物足りなさを感じたりすることが原因と考えられます。
そういった不満を埋めるために「幸せになりたい」と考え、そのための手段として「お金を稼ぎたい」「苦労せず儲けたい」といった発想に至り、ギャンブルに目が向くのです。
射幸心が持つリスク
射幸心は誰もが持つものですが、射幸心が強すぎるとさまざまな弊害が生まれます。
主なリスクを3つ紹介するので、このような危険があることを念頭に置きましょう。
ギャンブル依存症に陥る可能性がある
「楽をして稼ぎたい」という射幸心が強いと、真っ当に働いてお金を稼ぐという発想が薄らいでしまい、ギャンブルを利用して一獲千金を狙おうという気持ちが強まります。
「稼ぐためにはギャンブルで勝つしかない」考えるようになれば、自然とギャンブルと向き合う時間が増え、負けた場合はそれを取り返そうと余計にのめり込んでしまうものです。
結果的に、気づいたときにはギャンブル依存症に陥っていたというケースも多く、専門的な治療を受けなければ改善できない可能性もあります。
当たり前の生活を失う恐れがある
ギャンブルにのめり込むようになると、それまで行っていた仕事を続けるモチベーションを失ったり、仕事を辞めたりしてしまうことがあるかもしれません。
ギャンブルは勝つことがあれば負けることもあるゲームなので、ギャンブルで生計を立てるということは普通に考えれば不可能です。
仕事や金銭を失い、それが原因で家族や友人から見放されてしまったら、それまでは当たり前だった生活をなくしてしまう恐れがあります。
犯罪に手を染めてしまう場合もある
ギャンブル依存症は極めて深刻であり、ギャンブルのために貯金を使い果たし、借金の返済が不可能になると、ギャンブルを続けるために法を犯してお金を稼ごうとしてしてしまう場合もあります。
詐欺や強盗、窃盗などで捕まった人が「遊ぶ金がほしかった」と供述するのはよくある話です。
こういった犯人はまさしくギャンブル依存症の状態と考えるのが自然でしょう。
ちょっとした射幸心からはじめたギャンブルが人生を狂わせ、犯罪へと走らせてしまう可能性があるので、射幸心との向き合い方には細心の注意を払う必要があります。