相撲に「日本相撲協会」、サッカーに「日本サッカー協会」があるように、麻雀にもプロ選手を管理する団体が存在します。
しかし、一般的なスポーツや競技がひとつの団体によって管理されていることに対し、麻雀は2021年8月時点で6つの団体が乱立するという少し特殊な状況です。
今回は、プロ麻雀における6つの団体をすべて取り上げ、それぞれの特徴を詳しく解説します。
麻雀のプロとアマチュアはどう違うのか、各団体でプロになるためにはどうすればいいのかといったポイントにも触れるので、麻雀でプロを目指すという方も、ぜひチェックしてみてくださいね。
麻雀のプロ団体は2021年8月時点で6団体存在する
スポーツや芸能、文化など、さまざまなジャンルにプロやアマチュアを管理する「協会」や「団体」が存在します。
相撲では「日本相撲協会」、サッカーなら「日本サッカー協会」がそれに該当し、団体は統一されることが一般的です。
麻雀にもプロを統括する団体が存在しますが、前述したような統一された協会とは異なり、2021年8月時点では6つの団体が乱立されています。
これまでの歴史のなかで、何度も分裂・新団体設立を繰り返しており、なかなかまとまる気配が見られません。
全6団体は、以下のとおりです。
- 日本プロ麻雀連盟
- 日本プロ麻雀協会
- 最高位戦日本プロ麻雀協会
- 麻将連合-μ-
- 101競技連盟
- RMU
原則として、一人の雀士が複数の団体に登録することは不可能です。
プロとして活躍する場合、雀士はいずれかの団体を選んで登録する必要があります。
これらの団体はすべて独立しているため、統一王者決定戦といったイベントは行われません。
麻雀団体が統一されないことによる弊害とは
麻雀団体には先ほどご紹介した6種類があり、これが統一されないことによる弊害が多いとの声も聞こえてきます。
団体が乱立したことにより、具体的には、以下のような弊害が起きているのです。
- 団体を越えた対局がなく、誰が一番強いのかわからない
- 各団体によって、細かなルールが定まらない
- 団体ごとに方針が異なるため、麻雀業界全体のビジョンが定まりにくい
団体ごとの力関係がはっきりせずに統一戦も行われず、しかも団体によってルールが異なるため、どの雀士が一番強いのかわかりにくいという問題があります。
また、ギャンブル性重視なのか競技性重視なのかといった考え方もそれぞれ違い、麻雀業界全体の方向性が定まりにくいことも問題です。
麻雀団体に所属するプロとアマチュアの違いとは
各麻雀団体が実施するプロテストに挑み、これに合格すれば、晴れてプロ雀士としての肩書きが手に入ります。
ただし、プロになったからといって、それだけで給料が発生するわけではありません。
6団体のすべてが給料の支払いを行っておらず、反対に雀士から会費を徴収して、運営費に充てているのです。
プロになることにより得られるメリットは、以下の3点です。
- プロ限定の大会やトーナメントへの参加権が与えられる
- テレビなどのメディア出演オファーが増えやすくなる
- フリー雀荘など麻雀の専門店で勤務しやすくなる
多額の賞金を獲得できる実力をもった雀士なら、純粋な競技だけで生計を立てられるでしょう。
しかし、ほとんどの雀士が、メディアや雀荘の仕事をしながら、プロとしての生計を立てています。
プロという肩書きをもっているだけでは、十分な収入を得られないというのが実情のようです。
Mリーガーになれば年俸400万円以上が保証される
画像引用:Mリーガー公式サイト
プロ雀士になるだけで年俸や給料は支払われませんが、ひとつだけ例外があります。
2018年に発足した「Mリーグ」の選手になれば、最低年俸400万円が保証されるのです。
つまり、Mリーガーになれば、Mリーグの試合に出場するだけで、400万円以上の年俸を確保できます。
しかし、Mリーグの選手への道は、険しいといわざるを得ません。
Mリーグは8チームが4名までしか保有できないため、Mリーガーになれる上限は32名という狭き門です。
また、Mリーガーには声優やアイドルとして活動しているスター雀士も多く、麻雀の実力以外の要素が求められる世界でもあります。