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将棋で「飛車角落ち」にしたり、フットサルで「女性の得点は2倍」になったりなど、さまざまな場所で見かける一種の縛りが「ハンディキャップ」です。
ハンデはギャンブルの世界では無縁に感じるものでもありますが、実は公営競技のなかで、唯一オートレースだけがハンデ制度を取り入れています。
では、なぜオートレースだけがハンデを取り入れるようになったのでしょうか。
今回は、どういった状況でどのようなハンデが付くのか、オートレース初心者の方へ伝わるように解説していきます。
ハンデのおもしろさや奥深さを知れば、オートレースをもっと楽しめるようになりますよ。
目次
なぜオートレースにはハンデがあるのか
オートレースの選手はプロフェッショナルですから、ハンデなしで正々堂々と戦うのが当たり前だと思う人もいるかもしれません。
公営ギャンブルのなかで、なぜオートレースだけにハンデが付けられるのでしょうか。
まずは、オートレースとハンデに関する基本的な情報をまとめてお伝えします。
ハンデがあるのは公営競技のなかでオートレースだけ
日本には競馬や競艇、競輪など多くの公営ギャンブルがありますが、ハンデが付けられるのは、オートレースだけです。
競馬も「牝馬は斤量を2kg減らす」というルールがありますが、これはハンデといえるものではありません。
人間同士で行う競技にハンデが付くというのは、オートレース独自の文化といえます。
ハンデが適用されるのは「ハンデレース」
オートレースには「オープンレース」と「ハンデレース」という2種類があります。
オープンレースは全員が平等な条件で行われ、ハンデが適用されるのはハンデレースだけです。
ただしオートレースにおいてオープンレースはとても少なく、SG・GⅠ競争といったハイレベルな選手だけがそろうレースだけに限られます。
大半のレースはハンデレースなので、ハンデという独自の文化を理解し、攻略することがオートレースで勝つためのコツです。
ハンデは選手間の実力差を埋めるために使われる
オートレースの世界でハンデが取り入れられている一番の理由は、選手の実力が結果に反映されやすいという競技性にあります。
同じ条件でスタートした場合、アクシデントなどが起こらなければ、順当な結果が出続けやすいことがオートレースの特徴であり、これを是正するためにハンデが取り入れられました。
そのためオートレースでは、実績や実力がある速い人ほど後ろからスタートします。
F1などのレースの場合は、前走でいい結果を出した人からポールポジションに付き、次走を有利な状態で迎えられますから、オートレースはこれとは真逆の世界と考えるといいでしょう。
ハンデはオートレースを盛り上げる要素として必要不可欠
いい成績を残せば残すほど不利な状態で走ることを強いられるオートレースのハンデですが、レースを盛り上げ、ギャンブル性を高めるためには必要不可欠です。
ハンデの存在が白熱した展開を生み、感動的な人間ドラマを作り上げていることは間違いありません。
ハンデを付けられた選手は、不利な立場でありながらさまざまな工夫の末に結果を残し、S級・A級といったランクを維持しています。
彼らのハンドルさばきを見たり、レース運びの駆け引きを見たりすることも、オートレースを楽しむうえでのポイントになるのです。
オートレースのハンデの決め方とは
オートレースのハンデは、ギャンブルを盛り上げる要素としても必要不可欠です。
それでは、ハンデの内容はどういったもので、何を基準にして決められるのでしょうか。
重要なポイントとしてご紹介できるのは、以下の4点です。
- ハンデは10~110mまで
- ハンデは選手のランクによって決まる
- 選手のランクは半年ごとに見直される
- 新人は1年間B急に固定される
それぞれを詳しく解説しましょう。
ハンデは10~110mまで
ハンデは10m単位で決められ、最小で10m、最大で110mです。
仮に50mのハンデが付く場合、スタートラインから50m後ろからスタートする決まりです。
どの選手にどれくらいのハンデが付くのかは、出走表を見るとわかるので、実際の画面をチェックしてみましょう。
画像引用:Auto Race公式サイト
ハンデ欄の「30」は「30m」、「0」は「ハンデなし」を表しています。
数字が大きいほど後ろからのスタートとなるため、レースの局面では不利です。
ハンデが0、もしくは0に近い数字であるほど、スタート時に有利なポジションにつけると覚えておきましょう。
ハンデは選手のランクによって決まる
ハンデの有無や距離は、選手のランクによって決められています。
オートレーサーは「S級」「A級」「B級」という3つのランクにわかれていて、これをもとにハンデの距離が決まるのです。
強いS級ほどハンデがなく、弱いB級ほどハンデが多く付きます。
先ほどの出走表では、縫田雅一選手がハンデ0に設定されていました。
画像引用:Auto Race公式サイト
プロフィールを見ると、現行ランクがB-54であることがわかりますね。
反対に、40mのハンデが付いている山田達也選手はどうでしょうか?
画像引用:Auto Race公式サイト
現行ランクはS-27でした。
このように、強い選手ほど大きなハンデを付けられ、勝ちにくくなるというのがオートレースの特徴です。
選手のランクは半年ごとに見直される
選手のランクは半年ごとに見直され、最新の成績に合わせて更新されていきます。
現在は以下のように、審査ポイントに応じて決められるランクに基づいてグレード分けされていますよ。
- 1~48位:S級
- 49~280位:A級
- 281位~391位:B級
ただし、新人選手はいくらいい成績を残したとしても、1年間はB級からランクアップできません。
裏を返せば、とても優秀な選手が大きなハンデを受け続けられるということでもあるので、有利な状態で走れる優秀な新人選手を見つけるというのも、オートレースの楽しみ方のひとつでしょう。
オートレースのハンデレースを的中させるコツ
オートレースのハンデレースを的中させるためには、以下3つのポイントを意識しましょう。
- 試走タイムにハンデ分のタイムを加算する
- 天候を考慮する
- レース展開を考える
- STを見る
順番に詳しく解説します。
試走タイムにハンデ分のタイムを加算する
オートレースでは、レースを開始する前に「試走」というテスト走行を行っています。
オートレーサーはこれを真剣に行っているため、実際のレースで計測するタイムを計る参考に使えますよ。
試走タイムは、オートレースの公式HPで動画とあわせて公開されています。
画像引用:Win Ticket公式サイト
ハンデによって失われる時間は、10mあたり0.01秒です。
もし10mのハンデがあるなら0.01秒を、50mのハンデがあるなら0.05秒を試走タイムに追加しましょう。
もし1番がハンデなしの場合、本番のレースでも3.48で走ると想定します。
反対に2番に50mのハンデが付くならば、3.45に0.05秒を追加した3.50が本番の目安タイムと考えましょう。
仮にこのとおりになった場合、ハンデがレースの結果を大きく左右したことになります。
天候を考慮する
選手によってコンディションの得意・不得意に差が出やすく、雨の日は荒れた展開になることもあります。
逆転が難しそうな大きなハンデを背負っている選手でも、雨天時に雨が苦手な選手をグングン追い抜いて前線に躍り出ることも多く、天候との相性を考えて予想することも大切です。
レース展開を考える
ハンデを跳ね返す力を持った選手が走る場合でも、前の状況によっては、思うようにレースを進められない可能性があります。
たとえば大半の選手が20~30m先からスタートするという場合、他の選手によって進路が完全に塞がれてしまい、とても上位に進出できないレース展開になることもあるのです。
また、車体のコンディションが悪い場合は運転に無理が利かず、抜き切れないままレースを終えてしまうこともあります。
本番のレースは試走と同じ車体で行うため、試走の映像をよく確認して、車体のコンディションがいいか悪いかを確認しておきましょう。
STを見る
ST(スタートタイミング)は、スタートダッシュを決めるのが上手いかどうかを判断するポイントです。
この数値が速ければ速いほど、スタートが上手い選手と考えられます。
内枠にいる選手のSTがよければ、インコースを取ってレース運びを有利に進められる可能性があり、番狂わせを起こすかもしれません。
まとめ
オートレースには、日本の公営競技で唯一のハンディキャップがあります。
ハンデは選手のランクによって決まり、新人や成績がよくない選手ほど少なく、実績のある選手ほど多くなることが特徴です。
不公平にも感じますが、オートレースのギャンブル性やドラマ性を保つために、ハンデの存在は欠かせません。
ハンデは10mあたり、0.01秒の加算と考えましょう。
レース開始前には、本番と同じ車体を使った試走が行われます。
この内容やタイムに、ハンデによって見込まれる追加タイムを加算することで、自ずとそのレースの展開が見えてくるはずです。