カジノ法案が成立したことで、日本カジノの開発・運営方針ついて議論が重ねられています。
2018年に成立したIR整備法(実施法)では、国内居住者に対して、6,000円の入場料を徴収することや、入場回数を制限することが取り決められました。
これらはシンガポールのカジノを見本に決定されましたが、ほかの海外カジノでは、入場料や入場制限などについて、どのような規制が定められているのでしょうか?
この記事では、日本のカジノの入場規制について解説するとともに、海外カジノの入場規制についてもまとめてご紹介します!
目次
なぜ日本カジノで入場規制が必要なのか?
カジノ法案が成立したことにより、日本でカジノを開設させようとする動きがスタートしました。
そこで、日本にカジノを誘致する際の最大の課題といわれているのが、ギャンブル依存症対策です。
日本は、競馬や競輪、競艇のような公営ギャンブルが展開されているほかに、パチンコ・パチスロ店が街の至るところに点在しているギャンブル大国です。
諸外国と比べても日本でギャンブル依存症が疑われる人の割合が高く、大きな社会問題として、各種メディアで取り上げられています。
日本にカジノを誘致することで、観光客数の増加による経済効果などのメリットに期待できますが、ギャンブル依存症に対する対策を万全にすることが不可欠となります。
その対策のひとつとして規定されているのが、日本カジノの入場規制です。
カジノを誘致することでこれ以上ギャンブル依存症患者を増やさないための施策として、カジノの入場規制が議論されています。
日本カジノの入場規制(国内居住者向け)
それでは、日本のカジノでは、どのような入場規制が定められているでしょうか?
まずは、国内居住者向けに設けられた入場規制を見てみましょう。
入場料は1回6,000円
20歳以上の日本人、および日本に住む外国人に対しては、1回あたり6,000円の入場料を徴収すると定められました。
日本国民が日本カジノで遊ぶ際には、この入場料とベット資金が必要になります。
6,000円の金額設定は、シンガポールのカジノの入場料(7,000〜8,000円)を参考にしたものと思われます。
シンガポールのカジノ誘致は成功例として、日本もお手本にしているのです。
入場料を設定することで、安易なカジノ利用を防ぐことができ、徴収した入場料は自治体の公的資金として活用されます。
ただし、ラスベガスやマカオなど入場料が無料のカジノがあることや、入場を規制することによって経済効果が減少してしまうという専門家の見解も見られ、入場料徴収には、反対意見も多く存在します。
経済効果とギャンブル依存症などの社会問題との間で、どのように折り合いをつけて入場料を設定するかを、しっかりと議論する必要がありそうです。
週に3回まで、4週で10回までの入場制限
国内居住者が日本カジノを利用する際には、7日間で3回まで、28日間で10回までとする入場規制が定められています。
入場回数は、入場料を支払った時点から24時間以内を1回として数え、入場時に提示するマイナンバーカードと、顔認証システムによって管理されます。
国内ではギャンブル依存症の患者数の割合が高いことが問題視されているので、入場回数に制限を設けることで、ギャンブル依存症を抑制する狙いがあるようです。
また、本人以外にも、家族やカジノ側がカジノへの入場を禁止するという制度も設けられています。
日本カジノの入場規制(観光客向け)
日本にカジノ誘致する一番の目的は、外国人観光客数の増加なので、メインターゲットなる観光客に対しては入場料が無料で、入場回数を制限する規制もとくにありません。
ただし、身分をはっきりさせるためにパスポートを提示することが義務化されており、本人確認を徹底して、マネーロンダリングといった犯罪を防止するといった狙いがあります。
パスポートを所持している普通の観光客なら、とくに制限なく、日本カジノを利用することができます。
海外カジノの入場規制
日本では入場料の徴収や入場回数の制限などの入場規制が取り決められていますが、海外のカジノでは、入場規制についてどのようなルールが定められているのでしょうか?
ここでは、主な海外カジノの入場規制についていくつかご紹介します。
シンガポール
日本のカジノがお手本にしているシンガポールでは、21歳以上のシンガポール国籍の人に対して、入場料を1回あたり7,000〜8,000円徴収しています。
また、入退場にはどちらもパスポートチェックが行われ、不正があった場合は、10,000シンガポールドル(約80万円)の罰金が発生するのです。
子供の入場は保護者同伴でも認められておらず、できるだけ青少年への影響を排除するよう努められています。
マカオ(香港)
マカオにあるカジノは、自国民の入場料は無料で、21歳以上であれば自由にカジノに入場できます。
ただし、年齢制限に対しては非常に厳しい罰則が設けられており、年齢を偽って入場した際には、香港政府に対して1,000〜10,000パタカ(約14,000〜140,000円)、カジノに対して10,000〜500,000パタカ(約14,000〜6,700,000円)の罰金支払いが命じられます。
ラスベガス(アメリカ)
ラスベガスのカジノもマカオと同様に21歳以上なら入場可能で、入場料は無料となっています。
年齢制限に対する罰則も厳しく定められており、子供の入場は、保護者同伴であっても認められていません。
また、子供をホテルに置いて大人だけでカジノで遊ぶことは、法律違反として罰せられます。
そのため、ホテルにはベビーシッターなどの子供の世話をしてくれるサービスが常駐しているところが多くあります。
韓国
韓国のカジノは、基本的に自国民の利用は禁止されており、外国人観光客のみが利用できる場となっています。
入場規制としては、19歳以上の年齢制限が定められており、入場の際には、パスポートの提示が求められます。
また、自国民が入場できる唯一のカジノである「カンウォンランド」では、ギャンブル依存症対策として、月に15回までの入場回数制限が定められています。
ケアンズ(オーストラリア)
ケアンズのカジノの年齢制限は18歳以上で、入場料は無料となっており、パスポートの提示による年齢確認が行われます。
また、ドレスコードを採用しているカジノが多く、男性は襟付きのシャツと長ズボン、女性はワンピースとかかとがある靴での入場が推奨されています。
まとめ
今回は、日本と海外のカジノの入場規制についてご紹介しました。
日本カジノでは、外国人観光客に対しては入場料が無料で、入場回数にも制限は設けられていませんが、国内居住者に対しては、入場料の徴収と入場回数の制限が定められています。
国内のギャンブル依存症や治安の維持の対策として入場規制は必要と思われ、これから議論が進んでいく中で、規制がさらに強化されることもありえるでしょう。
また、諸外国のカジノ規制を見てみると、日本のカジノ規制は厳しいものであるように感じられます。
規制が緩いことで治安が悪化したり、ギャンブル依存症の増加に拍車をかけてしまったりした事例があるので、シンガポールやマカオといったカジノ誘致で成功した国を参考にした事前の対策が求められます。
日本のカジノが健全な遊びの場となるよう、入場規制については、しっかりとした検討と見直しが大切になりますね。