日本でカジノ法案が成立したことは記憶に新しいですが、多くの国民が気になるのは、「いつカジノがオープンするのか?」という点ではないでしょうか。
政府による正式な開業時期は発表されていませんが、今後の流れを考えると、カジノがオープンするのは、2025年以降になると予想されています。
それでは、あとはどのような段階を踏めば、日本にカジノがオープンするのでしょうか?
この記事では、「日本にカジノがオープンするのはいつなのか?」に焦点を当てつつ、これまでのカジノ誘致に向けた流れと、今後の流れについて解説します。
目次
現在までのカジノ法案に関する流れ
カジノ誘致の今後の流れを解説する前に、まず、これまでのカジノ法案に関する流れをおさらいしておきます。
2016年に最初のカジノ法案「IR推進法」が成立
2016年12月、日本で初めてのカジノ法案となる「統合型リゾート(IR)整備推進法案」が成立しました。
この法案が成立したことにより、「日本でカジノを含むIRをオープンさせよう!」とする動きが正式にはじまりました。
その後、2017年3月には「IR推進本部(正式名称は「特定複合観光施設区域整備推進本部」)」が内閣に設置され、本部長は安倍晋三首相が務めています。
これからこのIR推進本部よって、法整備をはじめとするIR誘致に必要となる動きが進められていくこととなります。
2018年に「IR整備法」と「ギャンブル等依存症対策基本法」が成立
2018年7月にはより具体的な制度について組み込まれた「統合型リゾート(IR)整備法」が成立し、入場料や入場制限、カジノ事業免許、カジノ管理委員会といったカジノ規制について定められました。
また、2018年には、カジノ法案における最大の不安材料であったギャンブル依存症の対策に関する法律「ギャンブル等依存症対策基本法」が成立しています。
これにより、地方自治体や事業者は、ギャンブル依存症に対する予防・啓発運動の促進や医療制度の整備、社会復帰の支援などの国が策定した対策計画に則すことが定められました。
ただし、「これでギャンブル依存症も安心」というわけではありません。
IR整備法で定めたカジノ規制について注意深く見直し、各自治体がギャンブル依存症対策を講じられるだけの財源をしっかりと確保することが求められます。
2020年にカジノ管理委員会が発足
最近のカジノ法案関連の動きでは、2020年1月に、IR整備法に基づいた「カジノ管理委員会」が内閣府の外局として設置されました。
平成29年7月に行われた『第6回 特定複合観光施設区域整備推進会議』で配布された資料では、カジノ管理委員会が担う役割は、以下のように説明されています。
“カジノ管理委員会は、世界最高水準のカジノ規制を行うことにより、クリーンなカジノ・IR事業を実現する中核的な役割を担う機関。”
(引用:「資料3 カジノ管理委員会について p4(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ir_promotion/ir_kaigi/dai6/siryou3.pdf)」
カジノ管理委員会は100人以上で組織されており、カジノ事業者の監督やカジノ事業の免許審査、カジノゲーム関連機器の監査などのカジノ規制を統括します。
また、カジノ運営全体に関する業務も取り仕切っており、IR事業が開業されてからIR運営の中枢を担う機関であるといえます。
日本では、カジノはギャンブルであるというイメージが強いので、厳格なカジノ規制によるクリーンなカジノ運営を実現して国民の信頼を得ることも、カジノ管理委員会の大きな役割のひとつです。
カジノ誘致に向けた今後の流れ
さて、IR開発におけるカジノ誘致に向けて、今後どのような流れで進んでいくのでしょうか?
ここでは、日本にカジノがオープンするまで、現段階で残っている4つのステップについてご紹介します。
①IR設置における基本方針の策定
まず、政府主導のもと、IR誘致に関する基本方針の策定が行われます。
各地方自治体や開発に携わる事業者は、この基本方針をもとにして業務を進めていくことになる見通しです。
今のところ、暫定となる基本方針策定案は公表されています。
IR整備法が公布されてから2年以内に基本方針を策定することが定められているので、2020年7月26日までには策定完了となるでしょう。
②IR候補地の正式決定
次のステップで、IRを誘致する候補地3ヶ所が正式に決定されます。
現在は候補地内定に向けて、IR誘致を目指す自治体同士のアピール合戦が繰り広げられており、候補地の正式決定は、2022年ごろになるのではないかといわれています。
候補地として正式に決定すれば、まずはインフラ整備の段取りからはじめていくことになるでしょう。
③IRを開発する事業者の選定
正式な候補地として決まった自治体によって、IR開発を請け負うIR事業者が選定されます。
この時期から選び出すのではなく、IR事業者として候補になっている事業主は、前もって自治体にアピールしているでしょう。
お目当ての自治体があればその都道府県にオフィスを構えたり、地域の交流イベントやセミナーに協賛したりと、PR活動が積極的に行われています。
④IRの開発、そして開業
自治体と事業者で提携が済めば、お互いのプランをすり合わせて、本格的にIR開発に向けて動いていきます。
完成モデルの模型を作って展示したり、どのような方針で運営していくのか、市民に向けて説明したりするでしょう。
IR事業者によるインフラの整備とIR建設が完了すると、いよいよIRが開業されます。
日本でカジノがオープンするのはいつ?
上記でご紹介した4つのステップが完了すれば、ついに日本初のカジノがオープンすることになりますが、現実問題として、カジノがオープンするのはいつなのでしょうか?
日本にカジノがいつオープンするのかについて、政府による正式な発表はされていませんが、残りのステップを考慮すると、早くても2025年ごろになるかと思われます。
当初は2020年の東京オリンピック開催と同時期にカジノをオープンさせると意気込んでいました。
しかし、法案の成立に時間がかかるなど、行程が進まないことを理由に、実現不可能となってしまいました。
今後、どのようなスケジュールでIR開発が進んでいくのか、政府の発表に注目しましょう!
カジノの候補地は?
気になるカジノの候補地ですが、現在のところ、東京(台場)、神奈川(横浜)、愛知(名古屋・常滑)、大阪(夢洲)、和歌山(マリーナシティ)が名乗りをあげています。
とくに最有力候補の呼び声が高いのが、横浜と大阪です。
大阪や横浜では、ある程度のインフラは整っていますし、地方の大都市として、さらなる発展を狙ってカジノ誘致に向けた積極的な取り組みが見られます。
しかし、本当にカジノを誘致したいと考えているのは、経済難で悩んでいて、地域を活性化したい地方都市でしょう。
そこで、長崎のハウステンボスや和歌山のマリーンシティなどもカジノを誘致したいと立候補しています。
今後はノーマークの都道府県が新しく立候補してくる可能性も大いに考えられますので、どこに日本初のカジノが誕生するのか、正式決定を待ちましょう。
なぜ日本でカジノが解禁されるのか?
昔から日本ではカジノは賭博として禁止されていましたが、カジノ法案が成立したことにより、日本で合法的にカジノを開設することができるようになりました。
日本にカジノを開設しようという動きになったのには、外国人観光客の増加を狙ってのことです。
観光客の増加は、国内のインバウンド需要を拡大し、日本経済を活性化させると考えられています。
日本がお手本としているカジノ誘致の例は、シンガポールです。
シンガポールは、2010年にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を2ヶ所開業したことにより、観光客数が倍増するという結果となりました。
もちろん経済効果も大きく、IR収益の実に70%以上が、カジノゲームでの収益となっています。
日本もシンガポールを参考に、低迷が続く日本経済を活性化させる起爆剤として、IR事業に期待を寄せているのです。
まとめ
今回は、日本にカジノがいつオープンするのかと、オープンするまでの流れについて解説しました。
政府からの正式発表が待たれますが、残りの流れを考慮すると、カジノがオープンするのは2025年ごろになるのではないかと思われます。
今後に控えている大きな流れとしては、2022年ごろに候補地が正式に決定されることです。
それぞれの自治体では、IRを誘致するためのアピールが積極的に行われており、どこに決定されるのか、今から注目を集めています。
日本初のカジノがいつ・どこにオープンするのか、続報が待たれます!