2016年にカジノ法案が成立し、日本にもカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致しようとする動きが進められています。
マカオやシンガポールなど、世界有数のリゾート地で有名なIRが、日本のどこにできるのか、注目している人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日本のカジノ誘致における有力候補地を、ランキング形式でご紹介します。
目次
日本のカジノ有力候補地ランキングTOP8!
それでは早速、日本のカジノ候補地としてどの都道府県が有力なのか、ランキングTOP8を上位から順に発表していきます!
第1位 大阪(夢洲)
日本初のカジノ誘致の最有力候補の呼び声が高いのが、大阪府の夢洲エリアです。
かつては「夢洲まちづくり構想」を提案があったものの、いまだに実現しておらず宙に浮いた状態となっていることや、国際博覧会(万博)の開催が2025年に確定していることから、IR誘致と万博の相乗効果に大きな期待が寄せられています。
IR誘致に向けた取り組みも活発に展開しており、大阪府知事は、アメリカの大手カジノ企業であるラスベガス・サンズともすでに会談を終えています。
万博決定の勢いのまま、IR誘致も正式決定されるのでしょうか。
大阪のココがすごい!
大阪は都市としての機能は申し分なく、近くに関西国際空港が立地しているので、外国人観光客のアクセスも良好です。
IR誘致に関するアクションのスピード感はピカイチで、吉村洋文大阪府知事を中心に、積極的な反応を示しています。
また、大阪は、IRコンセプトとして「スマートIRシティ」を掲げており、関西が世界に誇る環境技術とICTを結集した、世界最高水準のスマートシティ構成を目指しています。
第2位 神奈川(横浜)
2019年8月に神奈川県横浜市の「山下ふ頭」エリアがIR誘致を電撃表明し、一気に有力候補地として頭角を現しています。
広大な敷地と穏やかな水域に囲まれたこのエリアは、「IR建設の理想である」といわれいるエリアです。
政府からの推薦を受けているほか、国外からの注目度も高く、海外のカジノ事業では、ラスベガス・サンズやメルコリゾーツ、ウィンリゾーツが、大阪から横浜へと転向しようとする動きを見せています。
しかし、地元住民や横浜港運協会などからの反対の声が大きいことから、IR誘致を成功させるには、反対派とどのように折り合いをつけるのかがポイントとなるでしょう。
神奈川のココがすごい!
神奈川は地方大都市の代表格として、インフラや他の都市機能においては国内トップクラスです。
品川・羽田・成田といった首都圏にある海外との玄関口ともアクセス良好で、申し分ありません。
横浜IRはコンセプトとして、「横浜を世界から選ばれるデスティネーション(目的)へ」を掲げており、世界最高水準のIRの実現と、横浜の経済と観光にイノベーション(革新)をもたらすことを目指しています。
第3位 長崎(佐世保市・ハウステンボス)
長崎県の佐世保市は、九州の中でも随一IR誘致に向けて精力的に取り組んでいます。
ハウステンボスの一部をIR候補地として活用することが合意されたことで、有力候補ひとつに挙げられます。
ただし、近くにあるマカオやシンガポールのIRに対抗するためには、長崎のIRをどのように差別化するのかが重要となるでしょう。
また、IR誘致に関して、長崎の議員からも支持を集めていることに加えて、地元住民からも賛成する声が多くあがっていることが特徴です。
住民の大きな後押しを追い風に、カジノ誘致の正式候補地となれるのでしょうか。
長崎のココがすごい!
長崎は、日本カジノのメインターゲットとなる中国・韓国からの交通の便が、片道3時間以内と良好です。
さらに長崎空港や九州内の空港など、すでに整備されているインフラを強化すれば、アクセス環境はより改善されていくでしょう。
九州・長崎IRが掲げる基本コンセプトは、『世界と日本をつなぐ「九州創生IR」』
九州・長崎の地方創生だけではなく、国施策への貢献を目指しています。
第4位 和歌山(マリーナシティ)
和歌山はカジノ法案が成立する前から、積極的にカジノ誘致に向けた取り組みを進めてきていました。
すでにリゾート地として整備されているマリーナシティにカジノ誘致を目指していますが、近接している大阪が最有力候補といわれる中、都市規模やインフラの面で、どうしても見劣りがちです。
しかし、大阪に近いという不利な状況をあえてアピールポイントに変え、大阪と和歌山でIRを2つ建設する相乗効果をPRして、IR誘致を狙っていく方針がとられています。
近隣に2つIRが存在する経済効果の高さはシンガポールが前例となっており、IR業者のブルー・ベリーやバリエール、サンシティからも注目されているほどです。
業界内では「影の最有力候補」と呼ばれている噂もあり、今後の動きに期待を集める候補地となっています。
和歌山のココがすごい!
和歌山は、すでにある程度整備されたリゾートとインフラがあり、インフラ投資を抑えることができます。
関西空港から車で1時間以内と、アクセスはまずまずです。
和歌山が掲げるコンセプトは「リゾート型IR」で、高野山や熊野古道など、和歌山が誇る多種多様な観光資源を融合させた、世界と競合できるスケールとクオリティの実現を目指しています。
第5位 愛知(名古屋、常滑)
愛知県が常滑市にIR誘致を狙っているのに対し、名古屋市は、県とは別にIR誘致を主張しています。
愛知県側は、常滑市の中部国際空港があるセントレア島への誘致を狙っているのです。
2019年に開業した国際展示場の勢いと地元の常滑商工会議所からの後押しで、IR誘致を成功させて、さらなる経済発展が期待されています。
一方、名古屋市は市内中心部か名古屋港エリアかと誘致場所を絞り切れておらず、一歩出遅れている状況となっています。
同じ県でありながらライバル関係の両者が手を取り合えば、愛知へのIR誘致の実現をグッと手元に手繰り寄せられるでしょう。
愛知のココがすごい!
愛知は、中部国際空港を有する優れた交通インフラが日本の玄関口となって、海外からの外国人観光客がアクセスしやすい好立地。
常滑市の中部国際空港エリアでは国際展示場がオープンしたことを皮切りに、「MICEを核とした国際観光都市」の実現と、AI・IoT・5G・自動運転などの最先端技術を活用した「スーパーシティ・スマートシティ」構想を掲げています。
名古屋市はIR誘致に向けた基本構想はまだ公表されていないものの、国内有数の大都市ということもあって、アピール方法によっては、一気に最有力候補まで駆け上がるかもしれません。
第6位 東京(台場)
日本一の都市機能を誇る東京は、お台場の青海地区にIR誘致させる方向で調整しているようですが、ほかにも旧築地市場にIR誘致を狙っているという噂もあります。
しかし、東京のトップである小池百合子知事はIR誘致に慎重な姿勢を示しており、IR誘致に関してはっきりと表明していません。
その背景にあるのは今年7月に控える都知事選で、IR誘致に関する表明が得票数に影響することを懸念しているのではないかと考えられています。
IR誘致の方針を明確にするのは都知事選後になることが予想され、東京が誘致を明言すれば、有力候補の横浜を脅かす存在となるでしょう。
東京のココがすごい!
日本最大の大都市である東京は、充実したインフラ整備をはじめとして、都市機能は申し分ありません。
また、湾岸エリア(ベイエリア)では、都市づくりと臨海副都市計画をさらに次のステージへと進める「東京ベイエリアビジョン」(仮称)が策定されています。
ベイエリアは東京の未来像において、「新たな形を生み出し、未来を創造する」場所として、積極的な開発と取り組みが行われています。
第7位 北海道(苫小牧、留寿都)
北海道の苫小牧は海外のIR事業者がオフィスを構えており、IR誘致に対してさまざまな取り組みを行っていました。
ところが、環境問題に対する懸念などによる住民の反対意見が目立つようになり、2019年11月に、IR誘致を見送ると表明。
これにより北海道全体の意向が誘致見送りに傾いていき、苫小牧とは別でIR誘致を狙っていた留寿都村も見送ることとなりました。
ただし、将来的にIR開業を目指して再度議論を重ねていくことも十分考えられるので、第2弾のIR誘致の申請募集があれば、再び立候補してくる可能性が高いでしょう。
第8位 千葉(幕張)
千葉市の幕張もIR誘致を狙っていましたが、2020年1月に、IR誘致を見送る意向が表明されました。
大雨・台風による災害復興を優先し、IR誘致に関する検討が不十分であると判断されたことが背景にあります。
今回は見送られますが、幕張新都心を活性化させるための戦略のひとつにIR誘致が捉えられているはずです。
カジノ候補地の正式決定はいつ?
カジノ候補地が正式に決定されるのは、2022年ごろであるとされています。
当初の予定では2025年ごろにカジノがオープンするように進められており、赤羽一嘉国土交通大臣は今年4月13日に開かれた衆議院決算行政監視委員会において、「IRの整備スケジュールに変更はない」と返答しています。
よって、候補地の正式決定の予定にも変更はないと考えられ、IR誘致の申請期間が2021年1月4日から7月30日であることを考慮すると、正式決定が発表されるのは、翌年の2022年になるかと思われます。
日本初のカジノ誕生をめぐる3つの席を争った誘致レースはすでにはじまっていますが、どこにカジノが開業されるのか、政府と自治体の動向に注目です。
まとめ
今回は、日本のカジノ誘致における有力候補地を、ランキング形式で紹介しました。
大阪の夢洲が第1位で最有力候補となっていますが、順当にいけば、横浜と長崎が加わった3ヶ所が正式な候補地として選ばれるのではないかとされています。
しかし、和歌山や愛知、東京にもまだまだ候補地としての可能性は十分にあり、まだ名乗りをあげていない新たな自治体が立候補するかもしれません。
はたして、カジノ誘致の内定はどこが勝ち取るのか、正式決定を楽しみに待ちましょう!