カジノ法案のデメリットは?日本にカジノができるために解決すべき問題点と対処法を解説!

カジノ法案が成立したことにより、「日本にカジノができる!」と盛り上がりを見せています。

シンガポールやマカオなどカジノが有名なリゾート地では、観光客が大勢訪れて、人も経済も賑わっているような印象を受けるのではないでしょうか。

しかし、カジノの誘致が、日本とってプラスではなくマイナスになってしまうことも懸念されています。

カジノを誘致するデメリットや問題点も、しっかりと議論していかなければいけません。

この記事では、カジノ法案のデメリット・問題点とその対処法や対策案について解説します。

カジノ法案について

カジノ法案は、2016年に成立した「IR推進法」と2018年に成立した「IR整備法」を総称した呼び方で、日本にカジノを含む統合型リゾート(IR)施設を誕生させることを目的に生み出されました。 

統合型リゾート施設とは、ホテルやショッピングモール、映画館、劇場、国際会議場・展示会場であるMICE施設などが一区画に集まった大型複合リゾート施設のことです。

世界有数のリゾート地であるマカオやシンガポール、ラスベガスなどにもIRが開設されています。

シンガポールのIRとして有名なのが「マリーナ・ベイ・サンズ」で、シンガポールでは、2010年に2つのIRが開設されました。

2009年の外国人観光客数は900万人ほどでしたが、IR誘致以降は観光客数が伸び、2018年には約1,800万人と倍増しています。

観光客が増えたことでインバウンド需要が成長し、シンガポールに大きな経済効果をもたらしました。

カジノ法案が成立したことで、日本でもIRを開設していく動きがはじまり、シンガポールを見本に、IR開設の経済効果による日本経済の活性化と回復が期待されています。

今のところ、IR整備法では日本におけるカジノ運営の具体的な取り決めが定められ、これから候補地を正式決定したのち、早くて2025年ごろにカジノが開業されるのではないかといわれています。

ただし、IR開発が進んでいく過程で、今あるカジノ法案が見直されたり、新しいカジノ法案が追加で成立したりすることも十分考えられますので、今後の政府の動きに注目していきましょう。

 

 

カジノ法案のデメリット・問題点

カジノ法案には経済効果や雇用創出など様々なメリットに期待できますが、成立するまでに幾度も廃案と審議見送りを繰り返していました。

それだけ反対派の意見が多かったということですが、カジノ法案にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?

治安の悪化

カジノ誘致でまず問題視されることは、カジノを開設した地域の治安です。

カジノはギャンブル場として高額なお金が動くので、「犯罪の発生や反社会的勢力の介入などによって、治安が悪化するのではないか」と心配する声が多数あがっています。

また、外国人観光客が増えることで、トラブルが引き起こされる可能性も考えられます。

さらに、治安が悪化することで、近隣に住む青少年への悪影響も危惧されるべきでしょう。

カジノを誘致したことで治安が悪化してしまった代表例が、韓国です。

2000年に開業した韓国のカジノ「カンウォンランド」の周辺は、今では風俗店や質屋、消費者金融などが立ち並び、カジノで大負けして行き場をなくした人が「カジノホームレス」と呼ばれ、社会問題となっています。

今では規制が強化されて幾らか改善されてきてはいますが、このような実例がある以上、カジノ開設による治安悪化への影響は、十分検討しておく必要があります。

 

 

ギャンブル依存症の増加

カジノ法案でもっとも大きな問題として挙げられるのが、ギャンブル依存症患者の増加です。

日本は諸外国に比べてギャンブル依存症が疑われる人の割合が高く、問題視されていました。

2017年に厚生労働省が発表した調査結果では、生涯でギャンブル依存症が疑われる人の割合は3.6%で、約320万人になると推計されています。

一方、オランダやフランス、カナダ、イタリアなどの諸外国の割合は、2%未満となっています。

日本にギャンブル依存症の人が多い理由といわれているのが、パチンコ・パチスロの存在です。

日本では、少し街を歩けばパチンコ店が目に入り、気軽に安価に遊べてしまうことから、ギャンブル依存を助長する原因となっていると考えられています。

また、パチンコ・パチスロだけではなく、競馬や競輪、競艇など、日本にはギャンブル場が溢れています。

このような状況でさらにカジノを誘致すれば、「ギャンブル依存症がますます増えてしまうのではないか」と心配する声があがるのも当然です。

カジノを開業している外国でも、ギャンブル依存症への対策は重要課題であると認識されているので、日本でカジノを開業する際にも、厳格な事前対策を講じていくことが求められます。

 

 

マネーロンダリングへの危惧

「マネーロンダリング(資金洗浄)」とは、犯罪など不当な方法で手に入れた資金を、正当な方法で手に入れたように見せかける行為のことをいいます。

麻薬の売買や脱税、詐欺などで手に入れたお金をカジノで賭け金としてベットし、負ければこのお金はカジノ側に回収されます。

勝てばカジノからの収益ということで、「キレイなお金」として、手元に戻ってくるのです。

昔からカジノはこのようなマネーロンダリングの場として悪用されており、日本のカジノでも、マネーロンダリングが行われるのではないかと危惧する意見があります。

マネーロンダリングは犯罪が絡むので、反社会的勢力などの関与が懸念され、治安の悪化にもつながってしまうでしょう。

日本でカジノを誘致するには、マネーロンダリングをどのように防ぐのか、有効な対策案が課題となります。

デメリット・問題点の対処法

上記ではカジノ法案におけるデメリットを3つご紹介しましたが、どのように対処すればいいのでしょうか?

ここでは、カジノ法案のデメリット・問題点に対する対処法を見ていきましょう。

治安対策

カジノ誘致による治安の悪化を防ぐには、IRに関する規制を厳格に定め、第三者機関などを設置して、しっかりと監督・監視していくことが大切です。

2013年11月に国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)が発表した『IR実施法案に関する基本的な考え方』では、IR施設の内外は厳格な管理規制区域となり、この区域におけるあらゆる行為は、規制と監視の対象になるとしています。
(参考:「大和総研『統合型リゾート(IR)構想と検討課題(2)』p5(https://www.dir.co.jp/report/consulting/reg-revitalization/20140813_008844.pdf)」

韓国のカジノ「カンウォンランド」の治安が悪化したのは、規制が緩かったことが原因のひとつであると考えられているので、IR及びカジノについては、厳しく規制を定めて管理していくことが求められます。

また、現地の治安を守るためには、警備体制にもコストを投じる必要があるでしょう。

治安がいいIRの例としてマカオが挙げられますが、入場規制を厳格にしていることに加え、警察官の人員も圧倒的に多いことが特徴的です。

警備体制などのセキュリティー面の強化も、治安悪化を防ぐ対策として重要となります。

カジノはいろんな文化をもつ外国人が集まるので、多少のトラブルが起こってしまうのは、仕方がないことなのかもしれません。

しかし、マカオやシンガポールなどでカジノを開設しても治安が守られている例を参考にして、事前に予期できる問題点から対策していくことが大切になるでしょう。

ギャンブル依存症対策

IR推進法が成立してからすぐに、政府はギャンブル依存症対策として「ギャンブル等依存症対策基本法」を定めました。

これにより、地方自治体はギャンブル依存症の予防・啓発を行い、医療体制をしっかりと整備することが義務付けられたのです。

また、ギャンブル依存症対策として、国内在住者のカジノ利用について、次のような規制が定められました。

  • 入場の際にマイナンバーカードを提示し、顔認証システムで管理
  • 入場料は1回6,000円
  • 1週間で3回、4週間で10回までの入場制限
  • チップの購入は現金のみ
  • IR区画外での広告掲示を禁止

これらの規制は、他国のカジノの規制と比べても厳しく、今後項目の見直しや追加が行われる可能性があります。

さらに、2020年度から厚生労働省はギャンブル依存症の治療を、公的医療保険の対象にする方針である旨が発表されました。

当面は「入場規制」と「医療制度の整備」の2つが、ギャンブル依存症の対策案となりそうです。

マネーロンダリング対策

現在、日本のマネーロンダリング対策の基本対策となっているのは、「犯罪収益移転防止法」です。

これにより、各種金融機関やクレジット会社などに対して、顧客の本人確認や作人記録の作成・保存、疑わしい取引の届け出などを義務付けています。

この犯罪収益移転防止法の枠組みの下で、カジノ事業に係るマネーロンダリングを適切に実施していこうと議論が進められています。

たとえば、現金とチップの交換の際に本人確認と取引記録の作成・保存をカジノ側に義務付けたり、カジノ事業における疑わしい取引を、カジノ管理委員会へ届け出ることを義務付けたりするといった内容です。

マネーロンダリングは、国同士が連携して対策を講じることが重要です。

国際的にマネーロンダリングの対策について審議するのは、国際組織である「FATF(金融活動作業部会)」ですが、日本のマネーロンダリング対策は、FATFの勧告を踏まえて行われています。

日本にカジノができる際にはFATFの審査もより厳格になるかと思うので、今後法整備を改善して、さらにマネーロンダリング対策を行っていくものと考えられます。

まとめ

今回は、カジノ法案のデメリット・問題点や、その対処法について解説しました。

治安の悪化、ギャンブル依存症の増加、マネーロンダリングへの懸念と、日本にカジノをオープンするために解決すべき問題は、まだまだ山積みです。

諸外国の成功例をお手本として、事前対策を進めていくことが求められます。

現在はIR誘致に向けて法整備や組織作りを中心に取り組んでいますが、これから候補地が正式決定したり、開発に携わる事業が発表されたりするでしょう。

日本初のカジノ誕生がどのように進んでいくのか、今後の情報に注目していきましょう!