カジノ法案が成立したことで、「いつ日本にカジノができるのか?」「日本のどこにカジノが誕生するのか?」など、日本のカジノ誘致に向けた動向に注目が集まっています。
日本にカジノが開設されれば、海外に行かなくても、日本でカジノを楽しめるようになります。
そして、カジノはギャンブルの場なので、運よく大金を獲得できるときもあるでしょう。
そこで気になるのは、「カジノで儲けたお金に税金はかかるのか?!」ということでしょう。
結論からいうと、50万円を超える儲けが出た場合は、課税の対象になります。
この記事では、カジノで儲けたお金の税金について、客側が支払う税金と事業者側が払う税金についてご紹介します。
目次
カジノの儲けは「一時所得」として課税対象
カジノだけではなく、競馬や競輪、競艇といった公営ギャンブルで儲けたお金は、「一時所得」として、課税の対象になります。
ただし、儲けたお金が50万円までは特別控除になっているので、50万円を超えた分の儲けに1/2をかけた金額に税金がかかります。
たとえば、カジノで年間100万円の儲けが出たとしましょう。
まず、特別控除の50万円を差し引き、残った50万円に1/2をかけた25万円が課税対象として、給与所得などに上乗せされます。
このように、日本のカジノで50万円以上の儲けが出たときは課税対象となり、税金を払う必要があります。
海外カジノの勝ちはバレない?!
それでは、海外のカジノで儲けたお金でも、日本で税金を払わなければいけないのでしょうか?
現地での税金徴収が行われていない場合は、日本で税金を払う必要があります。
海外のカジノでは、現地の税法によって、換金時に自動で税金が差し引かれるところもあります。
そのような現地での税金の徴収が行われているなら、日本に帰国してから追加で税金を支払う必要はありません。
ただし、現地で税金の徴収が行われるのはスロットマシーンなどに限られており、ポーカーやブラックジャック、バカラなどのゲームで得た儲けに対して税金が徴収されることはほとんどありません。
よって、これらのゲームで得られた儲けに対しては、50万円を超えた分を帰国後に課税対象として申告する必要があります。
しかし、現状としては、海外のカジノで儲けたお金を申告していない人も多くいます。
実際のところ、カジノでの儲けは自己申告に委ねる側面が大きいので、黙っておけば、税務署にバレる可能性は限りなく低いです。
それでも何かのきっかけで税務調査が行われて無申告であることが発覚すれば、無申告加算税や延滞税などを上乗せして支払うことを要求されてしまいます。
また、税金の請求は過去7年前まで遡ることができるので、カジノで50万円以上の儲けが出たときは、素直に税務署に申告する方が無難でしょう。
事業者向けのカジノ税は?
客側がカジノで儲けたお金については、50万円を超えた金額が課税対象となります。
それでは、店側の利益に対して、カジノ税などの税金はどのようになるのでしょうか?
日本のカジノ税について、現段階で考えられているイメージと、諸外国のカジノ税などを比較してみましょう。
【日本の課税イメージと諸外国のカジノ税などの比較】
日本(イメージ) | アメリカ(ネバダ州) | マカオ | シンガポール | 韓国 | |
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カジノ税 | カジノ売上の30% |
月次カジノ売上の うち、
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カジノ売上のうち、
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カジノ売上のうち、
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全てのカジノ売上に10% |
法人税など | 法人税+消費税+地方税 |
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12% | 17% |
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諸外国のカジノ事業者に対する税金の負担率は、全体収入に対して20〜40%の割合となっています。
日本のカジノでも、カジノ事業者が負担する税金の割合は、20〜35%程度で調整しようとする動きとなっているようです。
徴収した税金は国と自治体で折半され、IR区画内の整備や社会福祉、文化芸術の振興などの公益を目的に利用されます。
まとめ
今回は、カジノに関する税金についてご紹介しました。
カジノゲームで儲けた金額は、50万円までは課税対象になりませんが、50万円を超える分には税金がかかります。
申告しなくてもバレない可能性もありますが、後々面倒なことにならないためにも、潔く申告しておいた方がいいでしょう。
また、カジノを運営する事業者側では、カジノ税などの税金がかかり、収益全体に対して20〜35%の税金を負担することになるでしょう。
IR事業のカジノに参入する際には、税金の負担率を把握しておくことが大切です。